愛知県立芸術大学 Aichi University of the Arts


増山賢治(ますやまけんじ)

研究領域

音楽学、地域研究、文化学

主要研究

中国漢民族の音楽文化に関する音楽学的研究
現代日本の大衆芸能に関する音楽学的研究

学生に望むこと

*プロの音楽家、あるいは音楽を学習して何某かのプロを目指す意志

*そのためにはどうするかという方向性、プロセスを考える能力

*明確な目的意識・問題設定および情報の調査・分析能力、そして自らの情報源の構築

*教員からの指示待ちの姿勢ではなく自らが積極的に行動する自覚

*音楽に関連する諸科学に対しても関心を持ち、その知識不足を補う努力

*図書館、新刊書(新刊書のチェック)書店および古書店(インターネットを含む)の活用

*各ジャンルのコンサートやライブへの経常的な参加、視聴覚メディアの積極的活用

担当授業の内容解説

[音楽民族学概論](学部・全般)

世界各地の音楽めぐりのような時代遅れの民族音楽学ではなく、アジア地域に限定し、その伝統と変容の視点からその伝統音楽への理解を主目的としている。情報源を各種メディアに幅広く求めているのが特徴で、近年は同地域の(伝統)音楽に関連する映画や、ディスカバリー、ヒストリーチャンネルなどにおける既存のテレビ番組からの情報を厳選して得た映像や音源を活用している。よって、市井で上映される(またはレンタルDVD)映画作品の鑑賞を具体的に指定する場合があり、文化芸術に対する広い興味と音楽に対する柔軟な発想が求められる。受講に際して、西洋音楽史および日本史および世界史の知識は不可欠である。

 

[ポピュラー音楽概論](学部・全般)

ポピュラー音楽の学究的理解を目指す授業である。具体的には現代日本の音楽文化の中にJ-Popをどのように位置づけるかを考えることを主要目的の1つとし、近年はそれを演劇、ミュージカルとの関連、あるいはクロスオーバーの視点からとらえる試みを展開している。映像の分析的鑑賞を重視するため、受講に当たって、鑑賞中のメモ書きが非常に重要である。そして、鑑賞後は復習として内容をまとめておくことが不可欠で、PCまたは電子辞書の持ち込みが前提である。

上記の2科目について、レポートを提出する場合、少なくともレポートの書き方に関する概説書を読み終え、それをマスターしていることが前提である。基本的に卒論を書かずに学位を取得するという特殊な教育機関であっても、最低限の記述・発表能力は社会人として必要であるという立場から本講義ではそれを要求する。

 

[音楽学研究1、2] (学部・音楽学専攻用)

1では民族音楽学、2では日本音楽研究の諸問題を扱う。経常的な情報検索と自発的な文献閲読が必須という考えから、歴史学、文化人類学、カルチャラルスタディ等人文科学全般の文献購読を求める。

 

[特殊研究・音楽学領域)](博士前期課程)

中国音楽研究の諸問題を知ることを目的としている。従来ありがちな「中国では・・・」といった狭小な、矮小化された視点からではなく、音楽人類学、すなわち、アジア地域はもちろん、グローバルな視点からその音楽文化の特徴にせまることを旨とし、近年顕著な音楽学以外の学問領域によるディレッタント的中国音楽研究とは明確な一線を画している。具体的には中国研究所編『中国年鑑』(毎日新聞社)の「音楽」の記事を通読することによって、近年の中国音楽界の動向を把握し、問題点を掌握するが、必要に応じて中国音楽に関する英語に書かれた記事も講読する用意がある。基本的には、音楽学領域を主対象とした開設科目であるが、これまで音楽学領域以外では作曲と弦楽器の学生も履修している。

 

[音楽理論研究Ⅰ](博士後期課程)

平成25年度は2コマ開講しており、音楽学以外の領域用には中国における洋楽受容に関する英文記事を講読している。音楽学領域用には、中国におけるキリスト教音楽の流入、受容に関する記事(中国語)を講読している。

研究課題、最近の関心事など

*自らの中国音楽研究の最終段階の業務整理(参照→総合ゼミの配布資料)

*現代日本の大衆芸能におけるメディア報道の歪曲性、偏狭性に異議を唱えること

*日本演劇学会、日本映画学会に入会、大会、例会への参加

近年の研究業績(論著)について

*『中国年鑑2013』(2013年、毎日新聞社)の「音楽」を執筆(1996年より継続中)

*「都市の音楽芸能をフィールドワークする~台北音楽紀行」『広島大学大学院教育学研究科音楽文化教育学研究紀要』(2013年)

*『中国文化史大事典』(2013年、大修館書店)の音楽芸能関連項目の多数を執筆

以下、徐々に全文アップ

*『ミクストミューズ(増刊号を含む)』の記事(3-4篇)転載

「中国の定期刊行物から中国音楽の最新事情を読む」(2008年)

「J-Popをめぐるクロスオーバー現象とその周辺の事象について―クラシック、伝統邦楽、ミュージカルとの関係を中心に―」(2011年)

「J-Popおよび日本の舞台・映像芸術の若手エンタテイナーの活動に見るクロスオーバーの諸相」(2011年)

「点描アニメミュージカルの世界―現代日本の大衆芸能における新潮流として」(2012年)

*『REAR』の記事(1篇)転載(承認後)